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長良川とともに生きる川漁師

大橋兄弟の漁見学と獲れた川蟹でスペシャル会席

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物心つくころから祖父や父から漁を学び、川を愛し、川とともに生きてきた大橋亮一さん、修さん兄弟。
当日は川蟹漁に同行し、長良川独特の漁文化を間近で体験します。さらに漁師の目から見た長良川についての話を伺ったあと、獲れた川蟹のスペシャル会席を頂きます。『丸福寿し』の大将が腕によりをかけて調理します。大橋兄弟の川漁を見学できる貴重なチャンスと、この時期ならではの長良川の自然の恵みをお楽しみください。

注意事項

※川原で歩きやすい格好でお越しください。
※お飲物は別途料金です。
下記実施スケジュールからお好きな日程にご予約下さい 体験レポートを読む

案内人

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【丸福寿し 清水 孝宏】
岐阜の市場でもっとも魚を仕入れ、大橋兄弟が漁をしたサツキマスが食べられる繁盛寿司店の大将。
春はカヌー、夏は自転車、秋は天体観測、冬は登山と、岐阜の自然を満喫する男。

集合場所

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大きな地図で見る

丸福寿し

〒501-6133

岐阜県岐阜市日置江5-72

※駐車場有り
※最寄バス停「日置江4丁目」

申し込み・問い合わせ先

Display 山本佐太郎商店 058-262-0432

実施スケジュール

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第1回

実施日時
2014/11/04(火) 08:30 〜 14:30
予約開始
2014/09/17 09:00
予約終了
2014/11/01 17:00
料金
5,400円
定員
8 / 8 人
(満員)
空席通知登録
2人
最少催行
4人

これまでの開催レポート

写真部の体験レポート2014

新幹線の橋の下に、まだこんなに大きな蟹がいるんです。しかも、美味。

雨で増水した川も、今日は鏡のように凪いでいます。
「こんな日は、蟹は流れのはやい川の真ん中ではなく、端のほうにおる」

2日前に仕掛けたワナを引き上げると、いたいた、元気に動くモクズガニ。

産卵のため秋~冬に伊勢湾に下る、モクズガニ

これが「モクズガニ」です。ボクサーグローブのようにフサフサした毛がツメに生えているのが特徴です。
日本全国に生息しており、「カワガニ」「ツガニ」「ズガニ」とも呼ばれます。
オスのほうが毛深くて、腹が三角。メスは腹のカーブが丸く、毛も少な目。なんだか、ちょっと人間と似ていますね。

天候・時間・水位によって姿を変える川に魅了されます。

筆者は昨年も取材させていただいており(昨年レポートはこちら)、今年もほかに川のプログラムをいくつか取材させていただいていますが、毎回異なる水面の美しさに心を動かされます。

今日の水面は、昨日までの強風がうそのように静か。空と雲が鏡のように映る中を、舟がつくる波だけがゆらめきます。
定員8名の小さな漁師舟に乗れた方々は、この市街地の中とは思えない静かで美しい光景に感動します。


漁師歴70年の大橋兄弟だからこそ見つけられる「蟹の道」。

「ここじゃあかんな、もうちょと場所を変えんと」
素人目には十分な量がかかっているように見えますが、やはり増水のために蟹のルートが変わっているようです。1mずれると、もう蟹はとれないとか。
そう聞いて、川底をのぞき込んでも、昼間は砂の中に隠れている蟹は見えません。
小5のときから祖父について漁をしてきた大橋さん兄弟だからこそ、わかるのです。

長良川下流の川漁師はいまや8人のみ。専業の漁師は大橋亮一さん(80)・修さん(78)兄弟だけとなりました。
「漁師になって70年。そやけど、まんだ勉強中ですわ。長良川大学にこうして毎日通って、魚と知恵比べしとる」と笑う二人。
その手や顔に川風と日差しが刻んだ皺が、長い時間を物語ります。

昔は、この何倍も獲れました。河口堰ができるまでは。

モクズガニは、春~夏は川で暮らし、秋~冬にオス・メスともに産卵のため海へ向かいます。
海で孵化した幼生は海水の中で成長し、川へ遡上します。

川と海を行き来する蟹なので、長良川河口堰ができてから、漁師たちが危惧した通り、多くの川魚とともにモクズガニも激減し、川漁師も減りました。

この味を知る東京のレストランなどでは、貴重な高級蟹として取引されています。

さぁ、おいしい時間のはじまりはじまり!

兄の大橋亮一さんをゲストに迎え、魚料理のプロ「丸福寿司」さんで蟹尽くしの会席がはじまります。

見るだけでなく、食べて感動することは、とても大事なこと。
大橋さんのお話を聞きながら、蟹を味わい尽くしますよ!

ミソが甘い!エラのとこがまた、コリコリしてそのままかぶりつきたい

モクズガニの醍醐味は、かにみそ。とくにメスの内子(産卵前の卵)は最高です。
シンプルに塩ゆでや鍋にすると、その甘さとうまみの濃さがきわだって、蟹の概念がかわるほど。

海の蟹と違い、甲羅の下は比較的柔らかいので、甲羅をとったらそのまましゃぶりつくのがうまい!
海の蟹では食べられない、エラのところがなんともコリコリして、ここが好きと言う方も。

足の身も濃くておいしいのですが、いかんせん小さいので、ほじくりだすのには骨が折れます。大きな爪のところなら、身もとりだしやすいです。丸福寿司の大将、清水孝宏さんいわく、おいしいけれどこのめんどうくささが、いつもは店で出さない理由だそう。
でもでも、おいしいので、参加者はほじくり続けています。


毎年、ほぼ違う丸福寿司のメニュー。川蟹料理のコツは……?

それにしても、基本の塩ゆでや蟹ごはん以外、毎年メニューが違うことにも驚きます。
多彩な料理ですが、すべて蟹が活きる味。大橋兄弟と長い付き合いの丸福寿司さんだからこその、プロの技です。

「川蟹を料理するコツは、前日に料理しておくこと」という言葉に、一同びっくり。
「新鮮すぎて、当日では味が出てこないんです。魚も一緒ですよ。このパスタも、前日にカニだけオイルで炒めておいておきます。オイルに蟹のうまみが、一晩かけてじわじわでてくるんです。今日の料理のうち、今日さばいたのは、このあとの鍋用の蟹だけですよ」

なんと!常識が覆ります。

こういうシンプルな料理もまた、うまいんだなぁ。

ぶつ切りにした蟹を、だしの鍋へ。あとから、下仁田ねぎの青い部分と豆腐を加えます。
最後には参加者の懇願により、この蟹のだしが出たスープまで、ペットボトルに持ち帰りさせていただきました。

2時間半、気づけば食べっぱなし。ああ幸せ。

土鍋で炊いた蟹飯。ここに鍋の汁をかけても美味。

デザートには、あの有名な「奇跡のりんご」を添えた、特製ガトーショコラ。
どこまでも、どこまでも、贅沢で至福で、話のタネが尽きない時間でした。

この味が、いつもの通勤通学の橋の下にいる。
それを知ったら、川を汚すなんて絶対できません。
すぐそばに、豊かな自然の恵みがある岐阜を、とても誇りに思いました。

(奥村裕美)

プログラム詳細
大橋兄弟の漁見学と獲れた川蟹でスペシャル会席

■参加者の皆様へ:集合写真はこちら

2013年開催の様子はこちら

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