写真部の体験レポート2014

週末の2時間に、端材で作れるステキな自分道具。

最初の板の状態は、何か日曜大工でもしたら、ちょっと家にあるかもしれないくらいの薄くて小さな板。
これを削って、磨いて、たった2時間で売っているようなステキなバターナイフができるなんて。
そういえば岐阜は木の国でした。自分用だけでなく、人へのプレゼントを作っても素敵です。
でも、今回教えてくれるのは木のプロ。家具にも使われるほどの、適した板がちゃんと選ばれています。
柔らかくて掘りやすい緑がかったグレーの朴の木(ほうば味噌に使う葉っぱがとれる木)と、赤みがかった味わいになる桂の木です。

飛騨高山で36年続く、匠が教える自然体験を、岐阜市で。

案内人の「森の自然学校」さんは、宿泊もできる自然体験施設。飛騨の匠の技術を持つプロが、森と寄り添いモノづくりを楽しむ体験を提案します。

岐阜の木材と家づくりの会社「後藤木材」さんとコラボレーションをし、岐阜市内でもこうしたワークショップの機会が今後も増えていきそうな予感。町なかにいて感じられる、森の恵み。楽しみですね。

木と森のことは何でも答えてくださる講師の皆さんとの雑談から、知らなかった豆知識がいっぱいこぼれてきます。

形を自分で描き、糸のこで切りだし、小刀で削ります。木目を考えないと小刀がひっかかってしまうこともあり、集中が必要です。
やすりがけの力を均一にするやり方など、細かなテクニックを教えてもらうと、仕上がりが格段に変わります。

仕上げまであと一歩。焼きペンでサインを入れます。
筆者も体験させてもらいましたが、早すぎても遅すぎてもダメ。すうっと木がへこんで色がついていく感覚が楽しいです。

最後に、米ぬかからとった自然の油をしみこませます。とたんに深い色へと美しくかわる瞬間は、2時間待ち望んだ工程。きれいに磨きをかけたかどうかが、この工程での美しさを決めます。

森の自然学校の理念は
「人は、周囲の自然を身近に感じることから『自然と人間の共生』について学ぶことができ、
 『モノ作り』を通して『生きる力』を高めることができる」
というもの。
木のバターナイフを日々使うことで、岐阜にいろいろな木でできた美しい森があることを思い出せたら、朝食がより豊かな気持ちになりそうです。

(奥村裕美)
プログラム詳細:
伝統の技を受け継ぐ家具職人が教える木の小物づくり

関連ブログ:
» vol.1 木の時計作り編