写真部の体験レポート2014

旧・上之保村のみんなで作った、新しい「ゆずの里」

 関市の最北端、旧・上之保村が、ゆずの里になったのは意外にもごく最近のことです。

 それまでも農家の庭先などで栽培されていたのですが、この地に特産品を、と、13年前にゆずジュースが開発され、ヒット商品となりました。
 地域の農家が協力し、空いていた農地にたくさんのゆずの木が植えられました。ゆずは7年目から収穫できるため、上之保産のゆずだけで商品が作れるようになり、村として会社を設立したのは3年前です。

 高知など全国の産地を視察し、自分たちは後発だからこそ、全国的にも珍しい
「無農薬で体に良いゆず」にこだわることに決めました。それは、商品も同じ。余分なものは入れません。

 美味しいものは虫・猿・鹿のほうがよく知っています。被害に泣かされることも往々にしてあります。

 でも、少し握るだけでも鮮烈な香りがする皮をそのまま使うには、やはり無農薬が嬉しいですね。

 今日は、そんなゆずを満喫します。

 ゆずは、これからがちょうど収穫のシーズン。
 美しく黄色に色づいたゆず玉が選別されていました。

山肌で、たっぷり日差しをあびて。

上之保までは、長良川の支流・津保川に沿ったくねくねの山道を北上します。

この急な斜面でゆずが育てられているので、光がよくあたっていますし、上の方の実も、脚立がなくても獲りやすかったです。

お茶に円空芋にお米、いろんな作物が谷あいの農地に育つ、この田園風景に癒されます。山は植林ですが、川沿いは紅葉が見事でした。

 今回ご案内して頂いた長尾さんは、ジュースの開発者にしてゆずの里の仕掛け人の一人。

 ゆずの木には、この写真のように長くするどいトゲがあります。このトゲが、ゆずの実を成長過程で傷つけることもあるので注意が必要です。
 また、葉っぱがくびれて2枚になっているのも特徴です。

ビニール袋いっぱいに獲ってよし!

 スーパーでもらえるサイズの大きな手提げビニール袋にはいるだけ、ゆず狩りです。
 頑張れば40個くらいは入るのではないでしょうか。
 みなさん、元はとれました?

ゆずは皮・果汁・種まで、捨てるところなし。

さて、調理室に戻って、ゆずの使い方を教わります。
ゼリー作りの予定でしたが、今回は都合によりドレッシングづくりに変更になりました。

商品として売られている、このノンオイルのドレッシングとまったく同じレシピです。
こうしたレシピも、各地に視察に行って勉強し、地域の農家のお母さんたちが試行錯誤した、産地ならではの味。
ラベルまで同じものを貼りますよ。

会場では、ほかにもゆず商品が展示販売されていました。

ゆず絞り機も、農家のおじさんの手作りです。

普段の販売商品づくりには専用の大きなゆず絞り機が使われていますが、この木製の小型絞り機は農家のおじさんが試行錯誤した手作り。
切れ目を入れながら、香りが出る皮をうまくつぶし、果汁を効率的にためる優れものです。
手づくりのため、台数がないので、交代で使います。

塩と砂糖が入って「料理」の味になっています。ここに、お好みでオリーブオイルを足して使っても美味。


ゆずの種にお酒を加えて数日おくと、天然の化粧水になります。
種のまわりの、独特のぬめりがいいんです。

みんな、手がよい香りになってきました。

ゆず料理とゆずを浮かべた天然温泉で〆。

上之保温泉ほほえみの湯で、ゆず農家のお母さん定食といったランチ。メインの唐揚げはゆずの皮に漬けて揚げてあり、ゆず果汁もかかっています。奥にあるのはゆずアイス。

目の前は、のんびり田園風景です。

食事後は、入湯料なしで温泉に。筆者もご厚意により入らせていただきました。
無色透明のお湯は、サラサラしていますが、しっとり温まります。
今日は特別に、内風呂にはゆず皮と種がたっぷりはいった袋が浮いています。これも、無農薬だから安心ですね。
いつもならば、景色のよい露天風呂ばかりはいるところですが、今日はみなさん、内風呂時間を長く楽しんでいました。

(奥村裕美)

プログラム詳細:
旬のゆず 取ってしぼって作って食べて体験ツアー